バードック BURDOCK
[学名]
Arctium lappa L
[科名]
キク科ゴボウ属
[和名・生薬名]
セイヨウゴボウ
果実*ーゴボウシ
[使用部位]
根部、葉部
果実*
[成分]
精油、苦味配糖体(アルクティイン)
ポリアセチレン類
含硫アセチレン化合物
フィトステロール、
イヌリン
粘液質
フェノール酸
ポリフェノール類(クロロゲン酸など)など
[作用]
体質改善、浄血、解毒、抗菌、利尿、発汗、穏やかな緩下、血糖値上昇抑制
果実*ー解熱、解毒、去痰、鎮咳
*ゴボウの果実は「専ら医薬品として使用される成分本質リスト」記載有、根と葉は非医
[注意・禁忌]
キク科アレルギーの方は使用しないでください
体内毒素の多い方、初めて使用する方は、最初は少量から使用すること(好転反応として皮膚の悪化など体調不良が起こる可能性があるため)
[概要]
ヨーロッパ原産。英国では主に根部を使うようですが、葉も種子もメディカルハーブとして利用するようです。 ゴボウ、食卓でお馴染みの根菜ですが、欧米ではもっぱらメディカルハーブとして古くから利用されているようです。
浄化作用に優れたバードックは、湿疹や蕁麻疹、乾癬、にきび、おでき、腫れもの、赤鼻、酒皶性痤瘡(シュサセイザソウ)など乾燥と脂性肌両方の皮膚疾患、関節炎やリウマチ、高尿酸血症(痛風)などの代謝性疾患に血液浄化を目的にとして内外用に使われ、リンパ系浄化、体質改善作用のあるクリーバーズやレッドクローバーなどのハーブと一緒に利用されます。
なお、高尿酸血症とは、血液中の「尿酸値」が高くなっている状態で、この状態が続くと関節内に尿酸の結晶ができ、痛みを伴うようになったものを痛風と呼びます。
尿酸の排泄においては、水溶性食物繊維(可溶性繊維)イヌリンを含むバードックは有用ですが、カリウムを豊富に含むネトルやクミスクチンなどの利尿ハーブとブレンドするとより効果的でしょう。
クミスクチンは特に利尿作用に優れ、腎機能を高め、体内の過剰な水分や老廃物を排出してくれます。
また、バードックには抗バクテリア・抗真菌に対する有効成分を含有しているため、感染による泌尿器・生殖器系トラブルの利尿剤として用いられてきた歴史があります。
バードックは消化不良、鼓腸や便秘に、血糖値を下げる作用についての報告もあり高血糖にも有用です。
血糖値の急上昇は、インスリンの過剰分泌をもたらし、血中糖分を脂肪として蓄積しやすくなりますが、イヌリンは、インスリン分泌を調節し糖質を脂肪にする働きを抑制してくれるのでダイエットにも積極的に取り入れることができます。
また、イヌリンの働きのひとつとして、ナチュラルキラー細胞の働きを活性化させ、低下した免疫力をアップさせることが知られています。
バードックの根にはイヌリンやリグナン系苦味配糖体アルクティインを含むため、循環器系、呼吸器系、尿路系の働きを助け、リンパ系の鬱血を除去し老廃物の排出を促し、各器官の機能が正常に働くよう活力を与えることからトニック効果を発揮します。
近年の研究では抗変異原性や細胞増殖抑制作用が報告されていますが、欧米では古くから悪液質の治療や植物腫瘍学の分野で処方されています。
その欧米ではバードック、ネトル、ダンディライオンの3種で自家製ビールを作る習慣があるようです。
◼️外用
ドイツではバードックとネトルの抽出液をローションにして頭部に塗り込むようにマッサージし、育毛の目的で用いる方法が知られています。
頭皮の蒸れやすい季節は菌が増殖しやすく皮膚トラブルを起こしやすいので、予防、改善など健康な皮膚と髪を維持する目的として取り入れてみるのも良いでしょう。
(2023.8.23 Organic Herbal BulkShop & TeaRoom Bownim)