ハイビスカス HIBISCUS / ROSELLE
[学名]
Hibiscus sabdariffa L
[科名]
アオイ科フヨウ属
[別名]
ローゼル、カルカーデ
[使用部位]
萼部
[成分]
アスコルビン酸
植物酸(クエン酸、リンゴ酸、ハイビスカス酸など)
アントシアニン色素(ゴシぺジン、ヒビスシンなど)
粘液質
ペクチン
ミネラル(カリウム、鉄など)
[作用]
代謝促進、消化機能促進、緩下、利尿、冷却、解熱、眼精疲労回復
[概要]
アフリカ北西部に分布する多年草で、エジプトやスーダンなどの中近東、中国など、熱帯地方で広く栽培されています。
ハイビスカスの語源は、古代エジプトの美の神ヒビスに由来するといわれています。
赤色色素のゴシペジンやヒビスシンが含まれるハイビスカスは、ハーブティーとしてだけでなく、赤色の着色剤として、また酸味の調味料としてアフリカやアジアをはじめとする世界各国で使われています。
日本には明治時代にシンガポールから沖縄に伝わったとされます。
南国をイメージする赤い色の花を咲かすハイビスカスですが、和名でブッソウゲと呼ばれるものは、Hibiscus rosa-sinensis、英名を Chinese hibiscus と呼び、クリーム色の花を咲かすローゼルとは品種が異なります。
ハイビスカスは園芸種として豊富な種類がありますが、フヨウ属植物の分類が複雑であること、また、フヨウ属の学名が「Hibiscus(ヒビスクス)」であることからも、アオイ科フヨウ属低木を「ハイビスカス」と総称されることがしばしばあります。
ハーブとしては、食用である本種ローゼルの萼部を使用しますので注意ください。
フランス語ではカルカーデと呼ばれます。
ハーブティーにすると、燃えるような美しい鮮やかな赤い色の浸出液で、口に含むと口内粘膜が引き締まるような酸味が広がります。
ハイビスカスは酸味がとても強いため、ハチミツやジャムと一緒に加えて飲むと良いでしょう。
本種の赤く色付き肥厚した萼部を天日干しした生薬は「落神花(ラクシンカ)」と呼びます。
酸味のある爽やかな風味は疲労回復に効果的ですが、この酸味のもとはクエン酸やハイビスカス酸などの植物酸によるものです。
ハイビスカスには豊富な植物酸のほかミネラルを含みます。
肉体疲労の回復の効果としては、クエン酸などの植物酸やミネラルが体内エネルギー代謝と新陳代謝を高めることから、疲労回復を早める天然もののスポーツドリンクとして活用できます。
疲労回復だけでなく、解熱作用から解熱剤として暑気冷まし、また夏バテによる食欲不振にも利用できます。
そのようなシチュエーションにはペパーミントやレモングラスとブレンドすると相乗効果として、また風味もより爽やかに召し上がれるでしょう。
なお、クエン酸やビタミンCは、鉄分などのミネラルの吸収率を高めますので、ビタミンCを豊富に含有するローズヒップとブレンドすることは栄養補給、美容効果の観点から、またハイビスカスの強い酸味をまろやかに飲みやすくしてくれることからも、最適な組み合わせと言えます。
ローズヒップティーはとても酸味が強いといった認識をお持ちの方がいらっしゃいますが、フレーバーを添加していないナチュラルなローズヒップティーそのものに、強い酸味はありません。
ハイビスカスに利尿作用が認められ、その作用から、水分滞留や高血圧に利用できます。
水溶性である赤色色素のアントシアニンを含むため、眼精疲労の回復に浸剤活用できるでしょう。
酸味が苦手な方も、ローズヒップと、お好みでブルーベリーやビルベリージャムを溶いて飲むと美味しくいただけます。
ハイビスカスの酸味は消化器系の刺激につながるため、緩下作用として働き便秘症状の改善に役立てられます。
なお、ローズヒップは、ビタミンCとフラボノイドを含みますが、その相乗効果により穏やかな緩下作用を奏しますので、ハイビスカスとのブレンドは先述しているように黄金ブレンドと言えるでしょう。
この黄金ブレンドは、ビタミンC補給と代謝を高められる点、風邪症状にも使用できます。
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